竹千代くんのレッスン帖
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竹千代くんのレッスン帖

訪問レッスンを受けていただいているミックス犬の竹千代くん(と竹千代ママさん)にレッスンの様子をレポートしていただきます。10回の連載ですのでお楽しみに!

 
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第8回 基礎ができたと思ったら

みなさん、こんにちは!竹千代です。ごぶさたしてます。

こないだわんこ友だちと京丹後まで旅行に行ってきました。ホテルのドッグランは湖が目の前に見えて、朝なんか風がすごく気持ちいいんだ。ちょっとけわしい山道をがんばって歩いたり、砂浜で遊んだり、松並木でいろんな人に声をかけられたり、楽しかったなぁ!

そうそう、旅行中にフレンチブルドッグの女の子と友だちになったよ。じつはぼく、これまで鼻ぺちゃわんこが苦手で、すぐガウガウいっておかあさんを困らせていたんだけど、今回一緒にいたら、いつのまにか平気になっちゃった。正直言うと、はじめはやっぱりイヤだなぁと思ったよ。でも何度も顔を合わせるうちに、「あれ?べつに悪い子じゃないや」ってわかってきた。つい最近、近所のフレンチブルドックがちょうどママさんと家から出てくるところに、いきなり出くわしたことがあった。前は、会えばお互いガウガウいってたけど、ぼくフツーに「こんちは」って挨拶できたよ。おあかさんも褒めてくれたよ!ひとつ苦手をクリアできたかな。

さて・・・オスワリ、フセ、タッテ、マテ、オフ、オイデ、それから留守番、散歩のしかたなど、これまでいろんな話をしてきたよね。だいたい〈おうちわんこの基本〉はできたんじゃないかな。でも、いちどできたかといって、いつでもできる、というわけじゃないんだ。前にできたのに、数か月たつとできなくなったりするのはよくあるんだって。ぼくもそういう時期があったよ。だけど、「できなくなった」からそれでもう「ずっとできない」というわけじゃないんだ。「頭が悪くなった」「教えがいがない」なんて思わないでね。がっかりしないで、やさしいことから復習させてくれれば、すぐまたできるようになるよ!ぼくのおかあさんはもうそういうのに慣れちゃったみたい。前できたことができなくても、平気な顔で、できるところから教えてくれる。そうすると、やっているうちにけっこう思い出すんだ!

そうそう、家のなかと外ではぜんぜん違うことも知っておいてね。うちでできたことが外でできないのは不思議でもなんでもないんだ。外にしても、人がいるかいないか、わんこがいるかいないかで違うし・・・外ではまたやさしいところから練習して、いつもどおりのことが外でできたら、うんとほめてね。それって、すごいことなんだよ!

〈おうちわんこの基本〉だけど、今川先生のレッスンでは新しいことを教わるいっぽうで、〈基本〉を少しずつ難しくしながら何度も〈応用〉みたいに練習したよ。たとえば・・・オスワリ、フセでいうと、いちばんはじめはおやつでつられて動いてたよね。次がおやつなしで、手の動きだけ。それから声と手の動きでできるようになったら、基本の最後は声だけでオスワリ、フセ。〈応用〉になると、おかあさんが離れたところにいたり、違う方向を向いたり、動いたりしながら指示を出すんだ。

マテは、時間がどんどん長くなって、その間ボールで邪魔が入ったり、何かものが落ちたり、おかあさんが動いて隣の部屋に行ったりする。それでもじっとガマン。ボールがころがってもかまわないけど、お菓子の袋がガサガサいうのは気になるよねえ。


竹千代ママより

竹千代も話していますが、「いちどできてもできなくなる」ことは何度もありました。「前はイイコだったのに、あとになって○○してしまうようになった」ことも。そういうときはくさらず、いらいらせず、「できること」から繰り返せばきっと思い出してできるようになります。たぶん、前よりも上手に!

基本がひととおりできたような段階になっても、そういうことは珍しくないようです。今川先生に相談しましたら、よく「そういうものですよ♪」と涼しい顔でアドバイスをいただきました。どれほど心強く思ったかしれません。

さて、同じころ(月齢6か月)、竹千代は初めて見るものにとりあえず吠えるクセがありました。そこで10回目のレッスンで「新しいもの(苦手なもの)に慣れる」ことを教えていただきました。練習したのは服や帽子(竹千代の)です。いまでこそ服も帽子も平気ですが、当時は嫌がってぜんぜんダメでした。帽子の場合はまず鼻先に近づけて、竹千代がチョンと鼻でつついたら褒めてフード。次に帽子を頭に(ぎりぎりまで)近づけ、褒めて、すぐ遠ざける。そんな調子で少しずつ段階をへて慣らしていきました。散歩などでは、店頭にたなびく幟やバイクのカバーを見ると吠えていましたが、これも少しずつ近寄らせてにおいをかがせ、(「だいじょうぶよ~」と優しく声をかけたり、できたらフードをあげたりしながら)触らせました。

3歳半になったいまも苦手なものはあります。じっさい今回泊まったホテルでも、初めてみたものには一瞬吠えそうになりました。「吠えたらどうしよう!」とあわてずに、明るく「だいじょうぶよ~」と声をかけながら一緒にゆっくり近づき、においをかがせます。竹千代はちらっと私を見て、「なんだ、だいじょうぶなんだね」とわかったような顔をするんですよ。

何かいやなものを見たとき、警戒して「吠えちゃえ!」と前のめりになってから、「吠えないでおこう」と思うまでの時間が縮まったような気がしています。吠えたくなったとき、私の顔をみるくせがついたようです。

これは実感ですが、「できなくなったとき」にどうするかでわんことの付き合い方が決まるような気がします。自分の可愛いわんこ。「いま」できないからといってあきらめないで、「どうしたらできるようになるか」考えてあげましょう。できなくなると(「後退した」ように思えると)、先生にお話しにくくなりがちですが、むしろ困った時こそプロのアドバイス!ですよ(笑)。

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(文と写真/竹千代ママ)

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