竹千代くんのレッスン帖
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竹千代くんのレッスン帖

訪問レッスンを受けていただいているミックス犬の竹千代くん(と竹千代ママさん)にレッスンの様子をレポートしていただきます。10回の連載ですのでお楽しみに!

 
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第9回 物を守らない練習

みなさん、こんにちは!竹千代です。ごぶさたしてます。

朝晩のお散歩、寒くなってきたねえ。おかあさんは裏側がもふもふになったブーツ履いてるよ。ぼくなんか素足で平気なのにね。寒がりだなぁ。——そういうぼくも、朝はお布団から出るのがつらいんだけどね。えへっ。

今日のトピックは「ガーディング対策」。つまり・・ぼくたちわんこは大事なもの(とっておきの骨とか、お気に入りのおもちゃとか)をとられそうになると、ついうなったり、ガウって守ろうとしたりするけど、それってホントはまずいことなんだ。だから、そうならないようにレッスンしましょうってことだよ。

ぼくたちはおとうさんやおかあさんみたいにカバンを持ってないでしょ。「中にしまったから安心」ていうことがないんだ。いつとられるかわからない・・と思うから、なんだか必要以上に守ろうとしちゃうんだよね。

でも、ぼく知ってるよ。おかあさんに「ちょうだい」といわれておもちゃを渡したら、おやつをつけて返してくれる。まだうんと小さいころ、ごはん食べている途中、よくおかあさんに「お皿ちょうだい」って下げられたんだ。一瞬あれ?と思ったけど、すぐ(ほんとにすぐだよ)ササミをのせて返してくれた。(あとでおかあさんが先生に話してたよ。「お皿が小さくて、一回分のごはんが入りきらなかった」からだって。)

フードの詰まったコングも途中で「ちょうだい」って持っていったら、すぐその場でチーズを塗って返してくれる。何度かして、「渡してもだいじょうぶ」・・・というより、渡したほうがいいことがある、ってわかってきたんだ。

だから、ぼくわりとお皿を渡すの平気だったんだけど、10回目のレッスンで今川先生にちゃんとおさらいしてもらった。

最初は「それほど大事じゃないもの」(ぼくの場合は、フード)から。目の前にあるフードをおかあさんがすぐ側で「ちょうだい」って取り上げる。黙っていたら「えらいね~イイコ」っておやつをくれた。はじめにもってたフードも返してくれたよ。できたら第一段階クリア。

つぎはおかあさんが少し遠くから近づいて、同じことを繰り返す。これが第二段階だね。それでだんだん距離をのばして、遠くからすーっと来てぱっと取りあげても平気なように練習するんだ。

中級編はもうちょっと大事なもの(ぼくはおもちゃ)で練習。上級編は骨とかガムとか、かなり大事なものにトライ。骨はね、正直ちょっと難しいんだ。二度と返ってこないわけじゃない、とわかっていても、「え~!?いま食べてるのに」って、ちょっと鼻にしわがよったり・・・。

でもおかあさん、「それ竹千代のでしょ。竹千代の骨は取らないよ~何かつけてあげるからちょっと貸して」と、ニコニコしながらあっさり取っていっちゃう。ときどき、もっと大きい骨と交換してくれるんだ♪


竹千代ママより

ガーディングはわんこ本来の習性といえ、何かの拍子に人の手に歯があたって怪我をしないともかぎりません。食事中のわんこに何気なく手を出してかまれそうになった、なんていう話は珍しくないですし、おもちゃで遊んでいるとき、(よその)小さな子どもが手を出してかまれる可能性もあります。

わんこに罪がないのに(守ろうという本能を抑制することを知らなかっただけで)もし人に怪我でもさせたら、何より不幸なこと。逆にいえば、これがクリアできたらかなりのトラブルが防げます。ぜひ早いうちになんとかしたいものです。体験的に、「オフ」が完全にできていたら、ガーディング対策もわりと楽かと思います。

ほかのレッスンでもそうですが、とにかく段階を踏んで、最初は「簡単にできそうなもの」から。あせらず、じっくり取り組みましょう。

お気に入りのものを取り上げ→わんこがうなって→「イケナイ」と叱るのでなく、そもそもうならせない、うなるまで追い込まないのがポイントだと教わりました。こちらが緊張するとわんこにも伝染しますから、リラックスして。ぴりぴりしてきたと思ったら、何か投げて気をそらすといいようです。

骨やガムなど甚だしく執着するものは、飼い主さんが手で持ったまま食べさせます。あとで獣医さんにうかがったことですが、骨やガムなどは飼い主さんの手で固定して食べるほうが歯磨き効果も倍増するとか。

「環境作り」も重要です。わんこに取られて困るものはできるだけ片づけ、取られないようにします。

よくあるのが、「何かをくわえて逃げた犬を怒って追いかけ、追いつめて、怒りながら口をこじ開けて取りあげる」ことを何度も繰り返しているうちに、犬が追いつめられて、取られまいと飲み込んだり、最悪の場合、取られそうになってかむというパターン。これは最初の段階で、くわえさせなければ(くわえたくても、くわえられるところに置かない)いいのです。怒らなくていいように手を打っておきましょう。

ダメ押しとして、「口をわざとこじあけておやつをねじ込む練習」も効果があります。おやつと一緒にあげられないような薬を入れる練習にもなりますし、口に入れた物を出させるのにも役立ちます。どうしてもダメなものを口に入れてしまった場合のために、楽しく練習しておくとよさそうです。

ガーディング対策は「早いうちに」と書きましたが、1歳のころ出来ていても、年齢が上がると話が違ってきます。いざとなってあわてないように、日常で食べ物は手から少しずつ与えたり、持っているものを「ちょうだい」と取り上げたりする習慣をつけておくとよいかもしれません。

竹千代は、「ちょうだい」といわれたときおとなしく渡すと、おいしいものをくれると知っているので、コングでも何でも、取り上げられるとみょうにうれしそうな顔をするんですよ(苦笑)。

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(文と写真/竹千代ママ)

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