

竹千代くんのレッスン帖
訪問レッスンを受けていただいているミックス犬の竹千代くん(と竹千代ママさん)にレッスンの様子をレポートしていただきます。10回の連載ですのでお楽しみに!

みなさんこんにちは!竹千代です。毎日暑いけど、お元気ですか?
夏休みは、家族みんなで旅行に行くことも多いよね。お留守番もしょうがないけど、ときどきはぼくたちも連れて行ってほしいなぁ。ぼくはよくおかあさんと新幹線に乗って、横浜のおばあちゃまの家に行くんだよ。(飛行機にも乗ったよ!)大変だろうって?ぜんぜん。お気に入りのキャリーがあれば、どうってことないよ。
じつはぼく、キャリーで電車に乗るのは慣れっこなんだ。おうちの子になって3日めには、もう電車に乗ってたの。おかあさんはお仕事があって、一緒に連れて行ってくれたんだ。じっとしていただけですごく褒めてくれて、電車が着いてキャリーから出してもらったら、いろんな人が「かわいい」って笑いかけてくれた。
おかあさんもニコニコで、ごほうびをいっぱいくれたよ。それ以来、キャリーを見ると「あ、電車でお出かけだ!」って、そわそわしちゃう。さっさと入ろうとして、おかあさんに「まだ入らなくていいのよ~」といわれるくらいだよ。
おかあさんがもうひとつ大きなバッグを持っていたら、「お泊まりの旅行」っていうサイン。ぼくのごはんとかおもちゃとか詰めていくのをみて、はじめは「どうするんだろう」と心配したけど、むこうに着いたら使うんだよね。
遠くにお出かけすると、おとうさんとおかあさんもゴキゲンで一日遊んでくれるし、おいしいごはんが食べられるし、思いきり走ったりお友だちと遊んだりできるし、最高だね!でも、おうちに帰っていつものお布団で寝ると「やっぱりおうちはいいなぁ」って思うんだ(笑)
双方の実家が遠いうえ、運転免許がないとあって、竹千代を連れて帰るときもわが家ではたいてい新幹線を利用しています。これはたまたまですが、竹千代がうちに来てまもなく父が病気で長期入院し、母も看病疲れで倒れてしまったため、しょっちゅう実家に帰っていました。ホテルに預けたりもしましたが、まだ基本的なしつけの最中に何日も預けることが不安で、またそうした事情から「○○日まで」と決められないため頼みにくく、思い切って連れていきました。わけのわからない月齢のころからキャリーに入れて新幹線に乗せたわけです。いま思うとそれがよかったかも・・。
ただ、○か月のころキャリーも新幹線もおぎょうぎよく乗れたから、そのあとずっとだいじょうぶかというと、そうともいえません。年齢をへるごとに、本人にとっての「快適さ」も違ってくると思うので、柔軟に対応していくしかなさそうです。入るわんこの身になって、どうしたら居心地がいいか考えましょう。夏なら涼しく、冬なら(犬種にもよりますが)あまり冷えないように。あまりゆとりがありすぎても不安定ですが、身動きできないほど窮屈なのもどうかと思います。
顔出しはNGです。なかには「顔が出せます」というデザインのものもありますが、公共交通機関を利用するならば、そういうタイプは選ばないほうがトラブルになりません。
小さいわんこの場合、上部が閉まるタイプのスリングもおススメです。大きくなったら、コロコロのついたカートと手提げタイプのキャリーを使い分けますが、大きめのわんこの場合は荷物も増えがちですから、デザイン性より「軽量」「サイズ」「安定感」で決めるほうがいいのでは。女性はとくに、どんなにサイズがぴったりでデザインがよくても、重すぎたら不便です。新幹線の場合、通路の幅や座席の幅(足もとに置けるかどうか)も考えないと、結局出番がなくなります。また、手入れしやすさも大事ですね。
わんこお気に入りのキャリーが見つかったら、在来線で少し練習して、次はいよいよ新幹線で出かけましょう。指定をとるときは、ふだん人間だけで行動する場合の1時間か1時間半くらい余分にみておくと、あわてないですみます。可能ならば目的地の駅に着くのがラッシュ時に重ならないように時間を調整したほうがラクです。(あまりなじみのない駅でラッシュに巻き込まれると大変です。)ごはんを食べさせてからすぐ電車に乗らなければならないようなスケジュールも、慣れないうちは避けるほうがいいですね。朝起きて、たっぷりお散歩して、軽くごはんを食べて、少しのんびりしてから乗るくらいが理想的。いざというときのために、おいしいものを詰めたコングやアキレスのたぐい(長時間もちそうなもの)を密封できるビニル袋に用意しておきます。
なお、わんこが大きめならば、車両の(できればグリーン車の)一番前か後ろの席を予約すれば荷物の置き場に困りません。
わんこの切符「手回り品切符」は新幹線でも在来線でも270円(例外もあります)。新幹線なら精算口で、在来線は自動発券機で購入できます(例外もあります)。
ご参考までに、竹千代を連れていくとき、私が用意するものを下にあげておきます。帰省するときと高原のホテルなどに泊まりにいくときでは少し違いますが、だいたいはこんな感じです。(太字は「ぜひ」。)
・フード(毎食分個分けにする)コング
・おもちゃ・・・・洗えるものがベター
・おやつ・・・・食べ慣れているもの。いざというときのごほうびのために、とびきりのおやつも
・水・お皿
・マナーポーチ+ウンチを拾う袋+消臭剤(公共交通機関を使う場合はとくに)
・鑑札・ワクチン・狂犬病注射証明書
・かかりつけの獣医さんの電話番号
・犬の写真・・・・万一行方不明になったときのため
この3つはまとめていつも持ち歩いています。
・トイレシート・・・・吸水力ばっちりでいろいろ使えるので、多めにあると便利です
・足を拭くタオルかウェットシート
・大きめのタオル・・・・わんこが使い慣れて安心できるタオル。具合が悪くなったときのために使い捨てできるものもあるといいですね
・ビニル袋たくさん・・・・大中小いろいろ取り揃えておけば、人間も使えます
・自分用のタオル、ウェットティッシュ
・スリング・・・・軽くてかさばらないのでいつも入れていきます。竹千代サイズも入手可能!
・マナーベルト・・・・わんこが足をあげようがあげまいが、お店によっては「必ず」するよう求められる場合もあります
・ロングリード
・替えのリード・・・・現在しているリードのほかに1本あると、汚しても平気です。街の散策用におしゃれなリードがあってもいいかも(笑)
・防虫スプレー・・・・季節や行くところにもよりますが、夏はぜひ。出発前にはノミダニ駆除剤も。
・暑さ対策として、保冷剤。ミストスプレー。
・服・・・・抜け毛対策にもなりますし、ちょっとした話のネタにも(「可愛いですね~、へえ、タイガースのファンですか?」みたいな。笑)
・常備薬(あれば)
「もし~~になってしまったら」という(よくない)場合を想像して、あらかじめ対策を立てておくほうがいいと思います。じっさいには「何もなくて、使わなかった」ことがほとんどですが、それは運がよかっただけ、と考えて、準備しておきましょう。
そんなこんなで荷物が多くなるので、自分の荷物と竹千代のフード類はいつも宅配便で先に送ることにしています。持っていく鞄には、当日移動中に使う竹千代のものくらいしか入れません。(それでも重いですが・・・)
わんこ連れ旅行では、人間だけの旅行の何倍もマナーに気を使いますね。不自由なことも多いです。でも飼い主である私たちがマナーを守り、わんこもしつけられてイイコだと認められれば、結果的に、わんこにとって寛容な社会に近づくはず。
とはいえ、難しく考える必要はありません。要は、私たちが自分(たち)のわんこの様子にいつも目配りしていることだと思います。わんこがいつもと同じように元気か、慣れない移動でバテていないかも含めて。
では楽しいご旅行を!



バックナンバー
※※※※※※※※※※
翻訳家の竹千代ママの講座を受けることができます!
神戸新聞文化センターのHPから、「新設講座」→三宮・舞子教室→語学→「やさしい翻訳入門」「実践!翻訳講座・基礎」と進んで、詳細をご覧ください。